花小金井に住んで2年目を迎えた。買い物はいつも西友。乗る電車は西武新宿線。そんな生活を送っていると、否応なく目に入ってくるのが『西武』の2文字。そして、同時によく耳にするのが『西武の堤さん』という名前である。
■堤さんとは?
多くの人は当たり前のように口にするこの名前、しかし、私は「なんとなくどこかで聞いたな?」ていどの認識しか知らなかった。だが、それでも意識せざるを得ない情報がいくつか私の耳に入ってくる。それを紹介してみよう。
●身近な堤さん情報1
ある日、花小金井駅から、3駅隣の東伏見にあるアイススケート場「東伏見アイスアリーナ」の近くに立ち寄った。その時、そのアリーナがあまりに活気がないので近くにいた地元の人に「ここは元気ないけど、大丈夫なんですか?」みたいなことを言った。すると、「大丈夫、ここは堤さんの趣味でやってる所だからつぶれないよ」と言われた。趣味でアイスホッケー場? なんてご身分だ!? とすごい驚いた。
●身近な堤さん情報2
ある取材で秩父の芦ヶ久保という果樹園が沢山ある街に行った。ここの特産品はプラムである。そこで「なぜこの地でプラムの栽培が盛んなのですか?」という質問を農家の方にした時、返ってきた答えが、「西武の堤さんがここを開発した時に特産品を作ろうと大学からプラムの博士を呼んできて、うちらはその人から教わってプラム畑を作ったのが始まり」だという。強引とも言えるやり方だが、結果としてこの街の現在、特産品になっていることは間違いない事実である。つまり、上手くいったのだ。
●身近な堤さん情報3
前述のアイスアリーナのある東伏見駅には、「東伏見稲荷」という大きな稲荷神社がある。この稲荷、実は何もない街に名物を作るために、京都の伏見神社に頼みこんで分社してもらったのである。それを頼んだ人は他でもない堤さんだという。
人気ゲームの桃太郎電鉄のゲームデザイナーが、このゲームの生まれるきっかけについて「当時は西武の堤さんの本を良く読んでいた」と語っている。そう、あの桃太郎電鉄のように、ゲームではなく、実際に自らの電車の沿線に好き勝手に建物を作り、必要なら名物を持ってきちゃっていた人がいたのだ。
そんな伏線がいくつも続き、ついに私は堤さんを調べてみることにした。しかし、相手は企業の社長である。デパートのトイレを調べるように、動き回ればどういかなるものではない。なおかつ今回は取材は不可能。ということで、沢山の本を読んでみることにした。
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